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O2 / XrossVate、「30MHz以下のノイズ問題に関する解決アプローチ方法」の学術論文発表

株式会社O2と株式会社XrossVateは、30MHz以下の比較的低いMHz周波数帯での電磁波ノイズ問題に関する解決アプローチ方法をまとめ、このほど学術論文としてIEEE*1論文誌に「30MHz以下のノイズ問題の対処方法」(英語題名:”How Should Electromagnetic Waves Below 30MHz Be Handled?”)という論文を寄稿しました。

30MHz以下のノイズ問題は近年のLED普及に伴い顕著になりつつあり、早急な対策が求められています。今回のO2 / XrossVateの共同研究では、デジタル機器における電磁波ノイズ発生のメカニズム検証をケーススタディとして取り上げ、新しい視点を提案しています。

なお、本成果は12月2日~5日までオーストラリア・メルボルンで開催されるIEEE主催の「シミュレーション・設計モデリングに関する国際会議*2」にて発表の予定です。

 

■研究の背景

1.EMC対策の実情

電子機器におけるマイコンやLSIチップの動作周波数の高速化に伴い、これまで電子機器におけるノイズ対策は、不要な電磁波を出さない(EMI)、あるいは電磁波の影響を受けない(EMS)、およびこの2点のバランスを如何にして保つかというEMC対策として行われてきました。

ノイズ問題は、ともすると犯人捜しや、設計者の配慮不足をさらけ出すことに繋がるため、設計者はあまり積極的でなく、またノイズ対策はお金にならないという後ろ向きの評価を受けがちで、自社内だけではなかなかオープンな議論は持たれないのが実情です。その結果、ノイズの伝達経路やノイズを発生し放射する「アンテナ」という現象について、設計者自身が目を向け、解決することはとても難しいものになっています。

 

2.新たなEMCの課題

このような中、EMCの世界では静かなパラダイムシフトが起こっています。LEDが日常生活に浸透することにより、EMCのガイドラインでは放射ノイズと見なされていない、30MHz以下の周波数帯で発生するEMC問題の増加です。これまでのフィラメント型電球は熱を利用した発光であるため、電磁波ノイズの問題は発生しませんでした。しかしLED電球は高速にOn/Offを切り替えるスイッチング動作が行われ、これにより電磁波ノイズが発生します。

 

3. LEDから発生するノイズが設計へ及ぼす影響

LED点灯時の電磁波ノイズ発生は、利用して初めて明らかになる現象です。しかし現状のエンジニアリング・プロセスにおいて、LSI設計技術者が最終的にどのような製品に組込まれるかを想像し、適切なノイズ対策をすることは極めて困難です。今回我々が訴求したい論点がここにあります。

製品技術が高度に細分化され、結果としてブラックボックス化している現状のエンジニアリングにおいて、市場に出回る製品の不具合から、コア技術への適切なフィードバックをかけるのは事実上不可能です。

LEDの電磁波ノイズ問題は、エンジニアリング・プロセスやEMCガイドラインの空白を突くかのように起こっており、早急な整備が求められています。今回の論文発表では、ケーススタディとしてデジタル機器におけるノイズ発生のメカニズムを検証し、このようなパラダイムシフトに備える新しい視点を提案しています。

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図:これからのEMCのアプローチ

概要:30MHz以下のノイズ問題では、ノイズ源への対策より、伝達経路やアンテナも含めた
システム体を俯瞰した電磁波ノイズの解決がめられる。

 

■研究発表者

・鹿子嶋 龍彦   (株)O2 技術ディビジョン
・大泉 圭一    (株)O2 技術ディビジョン
・前田 篤志    (株)O2 O2ラボ
・伊藤 敏      (株)XrossVate

 

■本件の問い合わせ先

株式会社O2 パートナーズディビジョン 河西

TEL:03-6712-0504

 以上

 

*1 IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.)は、アメリカ合衆国に本部を持つ電気工学・電子工学技術の学会。電気工学を源流とする通信・電子・情報工学とその関連分野に及ぶ。専門分野ごとに39の分科会を持ち、それぞれに論文誌を発行している。他に主な活動として標準化活動(規格の制定)を行っている。

*2 正式会議名(英語)は、”The 6th International Conference on Modelling, Identification and Control “、略称ICMIC 2014。オーストラリア・メルボルンのSwinburne University of Technologyで開催される。

更新日:2014.11.28